クロネコメール便の代替サービス「ネコポス」で何が変わるのか考えてみた(追記あり)

やわなべです。

先週、ネットストアのhontoで初めて紙の書籍を買いました。電子書籍は頻繁に割引キャンペーンをやってるんで、何度も利用してるんですが。

3週間で1万円使ってわかった電子書籍の買い方

ネットから注文したのが先週の金曜日。翌日「発送しました」メールが届いたんですが、実際にメール便で送られた本がポストに届いたのは翌火曜日のこと。日頃アマゾンで翌日に戸口まで配送してくれるのに慣れてしまってたんで、これでも遅く感じられるのが恐ろしいですね。

まあ、週末hontoと提携するジュンク堂書店に行ってたんで、日数かかるとわかっていればリアル書店で買ったほうが早かったわけですが。

(2015.3.8追記)
このエントリー公開後、日本郵便が対抗となるサービス「スマートレター」の開始を発表しました。「ネコポス」との比較も含めて紹介していますので、よろしければあわせてお読みください。

日本郵便のメール便代替サービス「スマートレター」で送った方が得するものは何か?

メール便は意外と遅い

実は、今までほとんど気にしてなかったんですが、クロネコメール便って東京-大阪間の配送で4日かかるんですね。公式サイト見て初めて知りました。(追加料金で翌日配送可能)

クロネコメール便料金・お届け日数早見表 | ヤマト運輸

で、そのクロネコメール便が廃止になるという突然のアナウンスで、個人・法人問わず利用者大騒ぎとなったのは、記憶に新しいところ。

折よく、ちょうど昨日(3月3日)にメール便の後継となるポスト投函型の新サービスがアナウンスされました。名前は「ネコポス」

「ネコポス」とメール便との違いは?


(公式)ネコポス|ヤマト運輸

まず、メール便のスペックを振り返っておきますと、2サイズありまして、スペックはこの通り。

サービス名 利用対象 サイズ 厚さ 料金
メール便(サイズ1) だれでも A4サイズ 1cmまで 84円
メール便(サイズ2) だれでも A4サイズ 2cmまで 168円

ここに、今回発表のネコポスを加えるとこう。

サービス名 利用対象 サイズ 厚さ 料金
メール便(サイズ1) だれでも A4サイズ 1cmまで 84円
メール便(サイズ2) だれでも A4サイズ 2cmまで 168円
ネコポス 契約者のみ A4サイズ 2.5cmまで 個別見積

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ネコポスの利用条件、料金は?

メール便との一番の違いはここです。

法人または個人事業主で、事前にクロネコヤマトと契約した方だけがサービスを利用できます。

契約ありきなので、料金も月間の配送実績に応じて、よく使うお客さんには安くするよ、というスタンスのようです。上の公式アナウンスには具体的な料金については書かれていないのですが、

ヤマト、メール便に代わる新サービス 薄型や小型に対応:朝日新聞デジタル

こちらの朝日新聞の報道によると、MAX料金は378円とのこと。大幅に上がってますね。

上の表を見ても、送れるサイズの上限が上がってますから当然とはいえ。ここに配送数に応じたボリュームディスカウントが入るとはいえ、80円で送れていた頃と同じ相場で利用しつづけるのは無理めなようです。

ただ冒頭のhontoのような大口顧客であれば、当然ボリュームディスカウントの幅も大きくなるでしょうから、もし値上げ幅が(honto的に)許容できる範囲であれば、配送日数が短縮される分、ユーザーにとっては結果的にサービス向上という形もありそうです。

DMは「クロネコDM便」にほぼそのまま継続

ちなみにメール便の用途の多くは企業が送付する、チラシ、パンフレット、カタログなどのDMですが、これについてはメール便廃止と同じタイミングで早々に後継サービス「クロネコDM便」のアナウンスがなされていました。

クロネコDM便|ヤマト運輸

契約の形でメール便をDM用途で利用していた顧客(主に法人)の場合、「クロネコDM便」に変わっても上限金額は現行のメール便の上限と同じ164円。さらに移行期間を設けて、その間は今のメール便と同じ料金で届けますよ、というサービスぶりなので、影響は少ないでしょう。

割りを食うのは個人の配送主

一方、「せどり稼業」などで、ヤフオクやAmazonで細々と個別発送で本を売っているような個人にとっては、かなり厳しい現実です。

個人でも個人事業主登録があれば、おそらくネコポスの契約はできると思いますが、現メール便と同等の配送料での利用はまず無理でしょう

具体的な影響ケースを考えると、例えばこれ。

これはAmazonユーズドの本の画面ですがこのように、商品代金1円(+配送料252円)で大量にユーズドの本の出品があります。

なぜこんな商売が成り立つのかについては、他のところにも解説がありますが、ざっと書くと、

(1) Amazonユーズドでモノが売れるとAmazonに基本成約料100円+販売代金の15%を払った残りの金額を販売者が受け取れる

(2) 販売代金が1円だと15%のところがゼロになるため、販売代金+送料-100円が出品者の収入となる。(※大口出品者の手数料体系はまた異なる)

(3) 2の収入から実際に配送した送料を引いた金額が出品者の利益となる

というカラクリです。2015年3月現在、関東への配送料として257円としているところが多いですが、その場合、

(1) 購入者が支払う金額=257円 + 1円 = 258円

(2) アマゾンに収める手数料100円を引いた158円が収入

(3) メール便で購入者に84円で送れば、差額の74円が利益

となるわけですね。このケースでも168円のメール便サイズでもすでに赤字です。ネコポスはメール便よりもサイズ上限が大きいんで、ディスカウントがきいたとしても1配送当たり168円を下回るのは難しいんじゃないかと思います。

なので、4月以降、この業者がネコポスで配送するのであれば、この価格の維持は難しいと思われます。事実上、ポスト投函型配送の個人利用の締め出しと言ってもいいんじゃないかと

ネコポスの代わりとなる選択肢は?

クロネコ以外のポスト投函型配送サービスとなると、日本郵便の「ゆうメール」または「レターパックライト」が候補になるでしょう。

ゆうメール ご利用方法・運賃 – 日本郵便
レターパック 信書も荷物も大丈夫! – 日本郵便

先の比較表に追加するとこうでしょうか。

サービス名 利用対象 サイズ 厚さ 料金
メール便(サイズ1) だれでも A4サイズ 1cmまで 84円
メール便(サイズ2) だれでも A4サイズ 2cmまで 168円
ネコポス 契約者のみ A4サイズ 2.5cmまで 個別見積(上限378円)
ゆうメール だれでも 縦横高さの合計が170cm、4kgまで 重量による
(500gで300円)
レターパックライト だれでも A4サイズ 3cmまで 360円

「ゆうメール」と「レターパックライト」の大きな違いは「レターパックライトは信書も送れる」という点。

逆にゆうメールは、封書と同様、ポストに投函する形で配送の依頼ができるのですが、信書が入っていないか確認できるよう、「中身が確認できるようにして出せ」という、戦時中の思想検閲のような恐ろしくめんどくさい条件がついてます。

(ゆうメール利用の条件)
・封筒または袋の納入口などの一部を開く
・包装の外部に無色透明の部分を設ける
・内容品の見本を郵便局で提示する

使ってる人いるのかしら。

なので、事実上 4/1 以降のポスト投函型配送は、ネコポスかレターパックライトの2択となり、現メール便の相場と比較すると、2〜4倍程度の配送料アップを見込まないといけない、と考えたほうが良さそうです。

あえてポジティブな面を考える

クロネコヤマトの思惑としては、もちろん背景に(ヤマトから見て)理不尽な「信書を送るな」というお国の方針があるわけですが、仮に利用者の認知不足で意図しない不正利用があっても、今後は契約解除という形で対応できるようにした、という点は大きいのではないかと思います。

私も過去に取引先から思いっきり「請求書在中」と判を押されたメール便、を受け取ったことありますからね。無知って恐ろしい。

もちろん、個人間の小口発送の縮小による売上減はあるでしょうが、配送量・利益率、ともに法人利用の方が高いでしょうから、めんどくさい向け個人サービスを「国が悪いからや」という大義名分を持って切り捨てることができたという面も、もしかしたら部分的にあるのかもしれません。

一方、利用者、特に私のように日頃送るよりも受け取ることが多い身として4月以降何が変わるかを考えると、

・DMについては現状とほぼ変わりなし(量も減らない!)

・ヤフオクやAmazonユーズドからの個人間の配送は送料が上がる可能性大

・大手ネットストアからの本の配送などは、配送日数が短くなってサービス向上になるかも

といったところでしょうか。さらに飛躍してむりやりポジティブに考えるとすれば、ユーズド書籍の配送料が上がることで、相対的に電子書籍の価格が安くなり、出荷量が増え、電子化される旧版書籍も増える、みたいな流れになるといいなーと思いますけど。

ちなみに、過去から続くクロネコヤマト対官との闘いの経緯は、こちらをご参照あれ。どちらも読んどいて損はないですよ。

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