40過ぎたオサーンはAppleWatchしたらアカンと思うよ

やわなべです。

先に予防線を張っとくと、一番良く使う腕時計は以前に紹介したカシオのツインセンサーのスポーツギアです。

方位と温度が測れる腕時計 CASIO SGW-100Jを買ったのでレビュー

・時間がわかる
・方位がわかる
・毎時0分にアラートができる
・タイマー機能がある

という、私が時計に求めたい4つの機能をすべて備えた希少なモデル、「私の心の中のスマートウォッチ」です。まあ、希少なのは私のニーズの方なんですが。

ただ、ご覧のとおりジャケットやスーツにはあいません。コンパス機能がついて見た目がいい腕時計というのがあったら即買いなんですが、ニーズが少なくてほとんどない。同じカシオのEdificeというラインに一部方位計測機能を持つモデルがあるんですが、

実物も見たんですが、どうもゴツくて食指が動かない。で、今日も「私の心のなかのスマートウォッチ」はカバンの中。ファッション性、重要ですね。やっぱり腕時計の価値って、

ファッション性、ステータス性が9割で、残る1割がいわゆる機能的スペック

なんだなぁ、と改めて思う次第です。

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AppleWatchの立ち位置

AppleWatchの登場でがぜん話題のスマートウォッチに期待するところも個人的には同じなんですが、なかなか好みのものが見つかりません。

AppleWatchのラインナップの一覧はITMediaのこの記事が見やすいです。

(参考)「Apple Watch」価格まとめ 最安Sportは4万2800円から Editionは100万円超え – ITmedia Mobile

4〜5万円のモデルからエディションによっては100万超えのモデルもあるとのことで話題ですが、上のページを見ると、一見バリエーション豊富そうなんですが、

どれも見た目、ほぼおんなじ。

そりゃそうですよね。メインパネルが全液晶なんで、モデルごとに差別化できるのはせいぜいフレームのサイズ(38ミリ/42ミリの2種類)とフレームの色、バンドの種類くらいです。形やサイズの違う液晶パネルをいくつも生産するのは難しいでしょうし。

エディション除いた、AppleWatchと同じ5〜6万円クラスの腕時計ってのは、相場的に大学生から20代の方が使う腕時計の価格帯ではないかと思います。つまり価格付けとして見たターゲットはそのあたりってこと。

あと、デカい。小さい方の38ミリサイズでも女性には大きいんじゃないでしょうか。レディース向けのモデルは皆無といってもいいでしょう。年齢的ターゲット以外に潜在ターゲットの半分捨ててしまっていいんでしょうか。

ブランド価値を築くのはこれから

AppleWatchはスマートウォッチの中でも、既存の腕時計愛好家向けの新商品として売れる可能性のあるアイテムだと思います。時刻はスマホでもわかるけど、それでも腕時計を身に付ける習慣がある顧客層。つまり、1割の特化した機能志向なユーザーと、それ以外の9割、腕時計にファッション性、ステータス性の価値を求める人です。1割の機能特化志向には、すでにランナー向け、自転車向け、登山向け、ダイバー向けなどに機能豊富なモデルが昔からあります。AppleWatchがアピールしたいのは当然後者でしょう。

そう考えると、ガジェットとしては高めに感じる「5万円から」というAppleWatchの価格帯は、むしろステータス的には安すぎて、特に30代以上の腕時計愛好家層には、たまに使うファッションアイテムとしてもなかなか選びにくいものになってるんじゃないかと思います。

30代以降(あるいは羽振りのいい20代)のこういう層って、単に「デザインが気に入った」とか「ほしい機能がついてる」という理由だけで時計が選べないんですよ。多少の背伸び分はあるにせよ、自分の身の丈に相応するステータスと価値観を、会う人会う人に誇示する必要性があるわけで

以前、とある企業との打ち合わせの席で、相手方から出席した4人の男性が全員ロレックスをしてることがありました。あとで時計に詳しい人に聞いたら「さっきの商談相手、ちゃんとエライ人から順に高いモデルつけてましたよ」とのこと。つけてる時計を見るだけで決裁権の大小まで測れてしまう世界もあるわけですよ。

そういうステータス社会に価値を感じない人からすればバカバカしい話でしょうけれど、反面、そういうステータスで経済がまわる世界があるのもまた事実。スマホで時刻がわかる時代にあえて腕時計を身に付けるということは、自分がその価値観を持っていますよ、と相手にとられてもおかしくない。

逆に言えば、AppleWatchが最終的に狙いたいのはこういった「腕時計のステータス性を重視する層」。すでにロレックスなりブライトリングなりフランク・ミュラーなり、メインの決めアイテムを持ってる人が、「今日は気分を変えてこれつけていこうかな」という感覚で選択できるものになるべきなんですよね。そのためには「世間的に見て自分はこれつけてても分相応である」と客観的に(ここ重要)、認知されるブランド性が確立していないといけない。

で、そのブランド性ってのは30代以下の購入者たちがこれから時間をかけて築いていくことになるんでしょう。なので、失礼ながら40代以上の、特に男性は、たとえそれが欲しい機能ドンズバだったとしても、たとえ買うお金が十分に有り余ってるとしても、今のところAppleWatchに手を出さないほうがいいのではないかと思います

売れるスマートウォッチの条件

そう考えると、売れるスマートウォッチの条件というのはこのあたりかなと。

・ターゲットは30代以下
・そこそこ名の通ったブランド(既存のラインナップが10万円以上)
・液晶パネル・タッチパネルなし(ダサいしデカい)
・豊富なデザインバリエーション(液晶なしだと可能)
・価格帯は10万から20万程度
・百貨店で買える

Appleストアは百貨店同等のステータス性があると考えていいとしても、腕時計ブランドとして新規参入するのであれば、やはり、AppleWatchは、5万円クラスのラインと、数十万クラスのラインとで、もっとわかりやすくわけるべきなんじゃないかな、と思います。

売れるスマートウォッチの機能

「ちょっと待て、液晶なしでスマートウォッチの機能をどう組み込むんだ、てか、そもそもスマートウォッチって、従来の腕時計にないスマートな機能が使えるところがウリだろう」

という批判はあるでしょう。そうですよね、わざわざ機械式よりスマートウォッチを選ぶなら、やはり機能的な差異があるべきです。で、私が考えるスマートウォッチに必要な機能はただひとつ。ずばり「液晶なしでのさりげない通知」です

実は上で書いた「液晶パネルを持たないスマートウォッチ」という製品はすでにありまして、たとえばクラウド連携の体重計でおなじみのWithingsのActiveモデル。これについては、いち早く入手&レビューを上げておられる永江一石さんのエントリーを参照いただくのがよいでしょう。

(参考)欧米でプレミアム付いて人気沸騰のWithings Activiteスマートウォッチ、日本でたぶん初ゲット!!! | More Access! More Fun!

また、今年に入ってからは、タグ・ホイヤー、モンディーン、フレデリック・コンスタントといったスイス系のブランドがこぞってスマートウォッチ参入を表明していて、いずれも、見た目は旧来の機械式のクォーツであるとのこと。

(参考)タグ・ホイヤー+インテル+グーグルがスマートウォッチを発売へ « WIRED.jp
(参考)「避けては通れない」スイス腕時計メーカーもスマートウォッチ競争に参加せざるを得なくなった:オルロジカル スマートウォッチ – 週アスPLUS

が、これらのモデルに共通して搭載される「スマートな」機能が何かというと、なぜか「活動量のトラッキング」や「睡眠計測機能」なんですよねぇ。「活動量のトラッキング」は、1000円代から買えるゴム製ウェアララブルガジェットでできますし、睡眠計測って、こんなドレスウォッチをつけたまま寝る人がどれだけいるんでしょうか。

こういうヘルスケア機能を持ったウェアラブル機器であれば、それこそwithingsが昔から出してるようなラバー製のブレスレット型デバイスで十分ですし、そもそもヘルスケア機能をうたうなら、心拍を常時測定し続けて、異常があったらスマホに通知してくれる、くらいのことはしてほしいと個人的には思います。

これらは、ファッション性志向としては正しいと思いますが、つけたすスマートな機能がイケてない。

VeldtのSerendipityはなかなかわかってる

今まで見た中で唯一「これはいいかも」と思ったのはこれです。VeldtSerendipityというモデル。


(公式)VELDT SERENDIPITY

最小限の通知のためにクオーツ時計の下に液晶を配したデザインですが、ファッション性も高い。
製品コンセプトを読むと、

情報を腕元で操作したり見たるするのではなく、人に魅せる事、人知れずさりげなく情報を取得する事を目的としてデザインされています

となってて私の考えに近いです。もっと振りきって液晶捨てて欲しかったけど。

ラインナップは8万円台クラスと、12万円クラスの2ライン。アマゾンでも買えますが、伊勢丹などでも取り扱っているので、メンテナンスも考えてちゃんとしたところで買ったほうがいいでしょう。

私は、このデザインでもまだ「液晶がうるさい」そして「やはり盤面がデカい」と感じるのと、iOSにしか対応していないという点で買いませんが。

液晶なしの通知が時計マニアには受けるはず!

ただ、このSerendipityの「液晶でない、LEDでの通知」は時計好きにはウケると思います。そもそも腕時計の機能差なんてスマホのそれに比べたら微々たるもんで、クロノグラフでも機能でいえば「時計と同時にストップウォッチが使えます」というだけのものです。やってることはスマホどころかガラケーでもできる。もちろんそれを職人が仕立てたゼンマイ仕掛けでやってるところがすごいんですけど、そういう実用性でない小さなところに価値を見出し、愛情を持つのが愛好家なわけです。

その層にアピールするなら、液晶じゃなく光や音、振動なんかでアラートする、くらいのさりげない機能差がいい。たとえば「LINEの通知が来たら文字盤の6のところが青色に光る」とか、ほんとそんなのでいいんですよ。誰からの通知かはわからないけど、特定の相手によって色や点滅パターンが変えることはできるとか。私がほしいコンパス機能なら、右上のボタンを押したら盤面の16個のLEDが円周をまわって、北の方角のところで赤く点滅するとか、そういうの。他の人から見たら「それのどこがいいの?」くらいでいい。

ターゲット層を若めに見るとすれば、本命ブランドはハミルトン。「ハミルトンのスマートウォッチ、15万円。デザインバリエーションは豊富だけどできることは光とバイブでの通知のみ」とかなら売れるんじゃないかなー。