絶滅寸前のラッコを関西で鑑賞できる水族館を至急まとめました

やわなべです。

ふと、「ラッコが見たいなぁ、近場で」と思って、さてどこ行こうか、と調べてたんですが、ラッコを取り巻く国内の状況は、そんなのんきな状況どころではなく、ユーロ圏からの離脱がささやかれるギリシャ同様の待ったなしな状況になっていました。

とり急ぎ、関西圏のラッコ情報とともに最新の状況を現地特派員のやわなべ記者がお伝えします。やわなべさん?

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海遊館(大阪府)

…(遠距離通信によるタイムラグ)…はい。

まずは、一番近い大阪は天保山にある海遊館からご紹介します。行く気になれば地下鉄で30分以内で行けるところです。2015年7月現在、ここで鑑賞できるラッコは1頭、パタ(メス 1996年生)のみです。


(パタさん、ご近影 2015年3月)

「あれ?、前見た時は3頭くらいいた気がするんだけどなぁ」と思って調べてたら、こんな記事にあたりました。

(参考)ラッコ「エレン」が天寿を全うしました。:海遊館日記|海遊館

そんな「エレン」は、推定年齢24歳でこの世を去りました。ラッコの24歳というのは、人間に換算すると、100歳を軽く超えるぐらいの年齢で、国内でも最高齢でした。

この記事が昨年1月のこと。で、この「エレン」の死によって海遊館に残るラッコは「パタ」1頭のみになったんだそう。2014年の6月には、その「パタ」の誕生会が開かれたというニュースが産経新聞のサイトに残っています。

(参考)海遊館残り1頭のラッコ「パタ」誕生日会 – 産経ニュース

大阪市港区の海遊館で28日、18歳になった雌のラッコ「パタ」の誕生日会が開かれた。ラッコの平均寿命は15~20年とされ、人間に換算すれば70~80歳の“おばあちゃん”。館ではピーク時に8頭いたラッコも、死亡などで残り1頭に減っており、長寿の願いを込めて初めて誕生日会を企画。事前募集した参加者からパタに、氷で手作りしたバースデーケーキなどがプレゼントされた。

ピーク時8頭いて今現在は1頭のみ。そのパタも人間でいうと7-80歳の老齢ということで、大阪でラッコが見られなくなるのも時間の問題かもしれません。

「よそから譲ってもらったり、繁殖したりしないの?」という疑問については、のちほど考察することにして次。

須磨海浜水族園 (兵庫県)


(明日香さん、ご近影)

須磨ビーチがあることで有名な神戸の西に位置する、須磨にある水族館です。まずは公式サイトを見たんですが、

(参考)ラッコ館 – 園内案内

水深3.5mの水槽では毛づくろいや眠っているラッコの可愛い仕草を見ることができます。1日3回ある餌やりの実演では、解説を聞きながら餌を食べる様子がご覧いただけます。

とあるだけで、何頭いるのかがわかりませんでした。で、他のソースをいろいろあたっていると、またもや訃報に遭遇

(参考)神戸市:”須磨海浜水族園” ラッコの「トコ」が死亡いたしました

 今月より、摂餌状態が少しずつ悪くなり、体重が少しずつ落ちてきていました。夜間給餌や皮下点滴を行うなど、また元気な姿を見せてくれることを願って経過観察を続けておりましたが、6月21日(土曜)より全く餌を食べなくなり、6月22日18時、眠るように息を引き取りました。(現在、獣医による解剖を行い、死亡原因について調査中です)死亡時の年齢は、19歳と11ヶ月で、これは現在日本で飼育されているラッコのなかで最高齢でした。

先の海遊館の「エレン」の死の5ヶ月後のことです。

現在、須磨海浜水族園にいるのは「明日香」(メス 1999年生)と「ラッキー」(オス、1998年生)の2頭のようでが、この2頭もどちらも高齢なので心配です。

「関西のラッコウォッチャーブログ」というピンポイントすぎるテーマのブログを運営されている方の最近の投稿を拝見すると、なんだか気になる指摘も。

明日香ちゃんが休んでいてラッキー君が暴れまわるシーンは毎回見るのですが、この画像は明日香ちゃんが泳ぎ、ラッキー君が倒れているように見える異常な状態で、少し心配なのです。次回以降も同じようなら飼育員さんに話してみようかなと思っています。

ここも男女2頭の健在な姿を見られなくなるのは時間の問題かもしれません。

アドベンチャワールド(和歌山県)

パンダがいることでも有名な和歌山は白浜にある水族館にラッコがいます。

ここには現在「キラ」(メス 2008年生)と「ナダ」(オス 1998年
生)という2頭がいるようです。


(ナダさん、ご近影)

雌の「キラ」は高齢化の中では若手。毎年夏にはラッコによるプールの掃除というイベントもあるらしく、一番ラッコが見やすい水族館だとの意見もありました。

公式サイトのトピックスを遡ると3年前にこんな記事が。

(参考)ラッコのブリーディングローン|アドベンチャーワールド

​2​0​1​1​年​1​1​月​下​旬​に​、​福​岡​県​の​海​の​中​道​海​洋​生​態​科​学​館​よ​り​、​飼​育​し​て​い​る​オ​ス​を​移​動​で​き​る​と​の​朗​報​が​入​っ​て​き​ま​し​た​。​ブ​リ​ー​デ​ィ​ン​グ​ロ​ー​ン​制​度​を​利​用​し​、​繁​殖​経​験​が​あ​る​1​3​歳​の​オ​ス​を​借​り​受​け​、​当​園​の​4​歳​の​オ​ス​を​貸​し​出​す​こ​と​に​な​り​ま​し​た​。

なんと、希少なラッコの生存のために、そんな貸し借りのできる制度が整備されていたとは。てか、その後のフォローの記事が見当たらなかったのですが、この時貸し出した4歳のオスってのは今どこにいるんでしょうか。存命であれば現在8歳だと思うのですが。。

というわけで、現在近畿地方にいるラッコは以上のわずか5頭であることがわかりました。こんなに少ないとは思っても見なかったです。なので少し足を伸ばして三重県の鳥羽水族館の情報も調べることに。

鳥羽水族館(三重県)

鳥羽水族館には「メイ」(メス 2004生)という1頭がいるとの情報を得て「鳥羽水族館 ラッコ」で検索したのですが、トップに出てきたのは、やはり訃報。

(参考)日本最高齢のラッコ「ポテト」天国へ | イベント・新着情報 | 鳥羽水族館公式ホームページ

長い水族館生活の中では2004年に「メイ(メス、鳥羽水族館にて飼育)」を出産し、親身になって子育てする様子はとても微笑ましく人気を集めました。脂分が嫌いという健康志向?なポテトの大好物はイセエビ。敬老の日にお祝いとしてイセエビをプレゼントされると嬉しそうに食べていた姿が印象的に残ります。

というわけで、今いる「メイ」は亡き「ポテト」の忘れ形見なんだそう。

そして、お気づきになられましたでしょうか? ここまでみた3つの訃報はいずれも「日本最高齢」のラッコの死を報じています。

もしかするとラッコ界においては、「ああ、エレンさんが逝きなさったか。これで私が最高齢。ようやく肩の荷が降りるってもんですわ。ほな、みなさん、お先に。あとのこと、よろしゅうたのみますえ

みたいな霊界通信ネットワークのようなものがあるのかもしれません。

これはもう、一刻も早く、彼らの存命中にその姿を目に焼き付けておかなければという強い使命感が私の中に湧いてきております。


(在りし日のポテト、ローズとメイ、ご会食中の様子)

深刻なラッコ高齢化社会

てか、なんで、国内のラッコは年寄りばっかで増えもしないの?」という疑問に対してはこの記事がよくその状況を伝えています。

(参考)「このままでは日本の水族館から消えてしまう」 ラッコも危機 118頭→15頭に激減、高齢化も深刻に (1/5) – ITmedia ニュース

なぜITmediaがこの報を伝えているのかという素朴な疑問はさておき、5ページに及ぶ壮大なPV水増し記事で、待ったなしな現状を危惧する強い意気込みが伝わってきます。

その記事で紹介されている国内ラッコ数の減少を示すグラフ。ここまできれいな右肩下がりのグラフを私は見たことがありません。現在の状況に陥った原因を簡単にまとめると、

・ラッコは自然界でも個体が減少しており、ワシントン条約の保護規定にのっとった米国の方針によって、生息地アラスカから国内への輸入が途絶えた

・人口飼育環境下での生殖がかなり難しく、すでにいる個体同士の繁殖も期待薄

・そうこうするうちに現存個体が高齢化で生殖が難しい年齢に

という、全く出口の見えない状況。日本国民の少子高齢化の流れとの奇妙な符合を感じざるをえません。危機的状況にありながらも有効な打開策が見いだせないラッコ界の現状は、我々自身の悲観的な未来の暗示、といえるのかもしれません。

以上、現地から、やわなべがお伝えしました。