あまりよく知らないロッド・テンパートンさんの偉大な業績を振り返る

やわなべです。

先週、マイケル・ジャクソンの「スリラー」の作詞作曲者である、ソングライター・プロデューサー、ロッド・テンパートン(Rod Temperton)氏の訃報が小さくニュース記事になってました。

私、この訃報がもう1週間前だったら、ほとんど記憶に残らなかったはずです。というのも、ここんとこ、AppleMusicで「1970年代のR&B名盤を聴きまくろう大会」というさみしい独り遊びをやってて、ロッドさんが所属してた「ヒートウェイブ」というバンドのデビュー作を愛聴してたんですよね。で、訃報の中に「ヒートウェイブ」の名を見つけてびっくりしたわけです。このバンドの人が「スリラー」の作者だったとは。

で、ウィキペディアなどで彼の経歴を見ると「スリラー」以外にも素晴らしい楽曲を残されているじゃないですか。というわけで、個人的な思い出は全くないミュージシャンですが、その偉大な業績を紹介しようかと。選曲の基準は完全に私の好みです。

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All You Do Is Dial / Heatwave

ロッドさん、以下のラインナップを見たらアメリカ人だろうと思いますが実はイギリス人なんですよね。キーボード奏者としてダンス・バンドで活動中、当時の西ドイツで、ひとりのアメリカの軍人と知りあいます。ジョニー・ワイルダーというその軍人らとロンドンで結成したのが「ヒートウェイブ」というバンドでした。

1978年、ヒートウェイブのデビューシングル「Boogie Nights」がいきなり全米、全英両チャートで2位となるヒットを記録。というわけで、最初に紹介するのは、そのデビュー曲、、、ではなくて、そのB面に入ってた曲です。40年前の粗い映像ですが、これだけでも聴いてください。名曲です。

チラッとしか映ってませんが、画面右の方でキーボードを弾いてるのがロッドさんですね。

Rock With You / Michael Jackson

ヒートウェイブでの活動が、大御所クインシー・ジョーンズの目に止まり、これがロッドさんの人生の転機となります。以後、ヒートウェイブ活動と並行して、稀代のヒットメイカー、クインシージョーンズ界隈の様々なミュージシャンに楽曲を提供しはじめます。

そして、ここでも最初から大ヒット。1979年リリースのマイケル・ジャクソンのアルバム「Off The Wall」。これにアルバムタイトル曲と「Rock With You」の2曲を提供。いずれもシングルとしてヒットしました。

動画は気持ちいいくらいの口パクですが、これがシングルとして見事に全米チャート1位。「ベースラインがかっこいい曲」としてもよくあがる曲ですね。

Stomp! / The Brothers Johnson

兄ジョージ(ギター)、弟ルイス(ベース)による兄弟ユニット、クインシー軍団の一角でもあるブラザーズ・ジョンソンの「Stomp!」です。1980年の米R&Bチャートで1位を獲得。この曲も弟ルイスのベースが際立っています。

Give Me The Night / George Benson

はい、ジョージ・ベンソンのこの名曲もロッドさん作。この曲も1980年の米R&Bチャートで1位を獲得しています。この動画でもヘラクレスオオカブトみたいなギターを演奏されてますが、ジョージさん、フュージョンジャズ畑出身のギタリストなんですよね。軽快なギターサウンドをお楽しみください。

The Steamin’ Feelin’ / Bob James

from Sign Of The Times, 1981

90年代のフォープレイの活躍でも有名なフュージョン・ピアニストのボブ・ジェームス。1981年のソロ・アルバム「Sign Of The Times」にアレンジャーとしてロッドさんが参画しています。ジャズ畑ではロッドさん、他にハービー・ハンコックの作品にも参加してますね。

Patti Austin / Do You Love Me?

80年代風アレンジ全開の「Do You Love Me?」は、これまたクインシー一派のパティ・オースティンのヒット曲。全米R&Bチャート最高24位どまりでしたが、同じくロッドさん提供の「Baby, Come to Me」では見事全米チャート1位を獲得しました。まさにヒット請負人ですね。

Thriller / Michael Jackson

説明不要の「史上最も売れたアルバム」、マイケル・ジャクソンの「スリラー」です。ロッドさんは、アルバムタイトル曲と「Baby Be Mine」「The Lady In My Life」の3曲を提供。

アルバムは全米チャートで37週1位というモンスターぶりでしたが、シングル「スリラー」は意外にもチャートで3位どまりだったんですね。

あえてシングルでない「Baby Be Mine」の動画を貼っときます。

The Manhattan Transfer / Mystery

マンハッタン・トランスファーに書いた美しいバラード曲「Mystery」。セールス的にはイマイチでしたが、3年後、アニタ・ベイカーさんがアルバム「Rapture」の中でこの曲をカバー。そのアルバムが見事に87年のグラミー賞を受賞します。つくづくロッドさんの曲は日の目を見る確率が高いなぁ、と。

The Secret Garden / Quincy Jones

クインシーさんのアルバム「Back on the Block」の中で、バリー・ホワイト他、錚々たるメンバーが勢揃いしたこの曲もロッドさん作。正直むちゃくちゃいい曲とは感じないんですが、集まった豪華な顔ぶれの貫禄で、堂々のR&Bチャート第1位を獲得。

You Put a Move on My Heart / Tamia

90年代に入ると、ロッドさんの名前がクレジットされた曲はぐっと減ります。ウィキペディアによると、最後のクレジット曲がこちら。1998年、カナダのR&Bシンガー、タミアさん向けの「You Put a Move on My Heart」。セールスはそこそこだったようですが、相変わらず美しい。

偉大なる黒子、ロッド・テンパートン

というわけで、これだけのヒット曲に関わったのに知名度があんまりなロッドさんをご紹介しました。

ご本人は黒子に徹するタイプだったようで、メディアのインタビューもほとんど受けなかったんだそう。それもあって、多くの人が彼を黒人のアメリカ人だと思いこんでいたんだそうな。

ただ、この輝かしい業績から来る印税収入は相当だったと思われ、活動拠点だったLA以外に、ロンドン、フランス、スイスなどに邸宅を構え、南洋フィジーに至っては島をまるごとひとつ所有してたんだそうな。

あたらめてご冥福をお祈りします。あまりよく知らないけど。

Too Hot to Handle / ヒートウェイヴ

1989 / R&B/ソウル