やわなべです。
熊野三山めぐりのログの3回目です。これまでの経緯はこちら。
3回目は、発心門王子(ほっしんもんおうじ)から熊野本宮大社までの熊野古道ウォーク、湯の峰温泉経由で熊野速玉大社のある新宮までバスで移動するまで、です。
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初めての熊野古道ウォーク
熊野本宮大社前から発心門王子へと、中辺路を逆に戻るバスに乗ります。15分程度でつくのはこんなところ。
ここが発心門王子(ほっしんもんおうじ)。ゴールである本宮大社の4つ手前にある王子ですが、車道沿いにあって本宮までの徒歩距離も7kmちょい、途中アップダウンもほどほどで古道の雰囲気も味わえるということで、一番初心者が歩くコースのようです。
ちなみに王子(おうじ)ってのは、熊野古道沿いにもともとあった神社が、中世、参詣者の案内をつとめた熊野修験らによって、道中儀礼を行う場所として整備されたもののようです。遥拝所というわけでもなく、宿所というわけでもありませんが、数kmおきにあるんで、里標がわりにはなります。
中辺路は歩く人も多いんで分岐点の案内なども丁寧にしてあります。あとで書くように、一度だけコースをはずれてしまいましたが、まず迷うことはないかと。
ここから2km先の「水呑王子」までは、途中林道は通るものの、ずっと舗装路が続きます。楽勝かと思ったんですが、、
水呑王子の脇道からいよいよ山に入り、舗装路もなくなりました。空気もひんやりしてきましたが、まだ暑いくらいで逆に1枚脱ぐことに。
林を抜けると、しばらく民家の並ぶ舗装路がつづきます。次の「伏拝王子(ふしがみおうじ)」までは結構距離がありますね。
歩きはじめて1時間くらいで「伏拝王子(ふしがみおうじ)」に到着。ここはお茶屋さんがあるんで、多くの方が休憩されていくようでした。次の「祓戸王子」まではほとんど山道なんで、休憩するならここでしておいた方がいいと思います。
見晴らしのいい高台に和泉式部の供養塔があり、その横に彼女の歌が掲げられてます。
晴れやらぬ 身の浮き雲の たなびきて 月のさはりとなるぞかなしき
「せっかく本宮手前まで来たのに、このタイミングで生理が来るとか最悪」てな歌です。当時、神社参拝に際し「月の障り」は血の穢れとして忌避されてたんですね。その夜、熊野権現が寝ている式部の夢に現れ、こんな返歌をします。
もろともに 塵にまじはる神なれば 月のさはりも何かくるしき
「いろんな穢れにかかわってきてますんで、生理とか気にしなくていいっすよ」 外国の神と違って、寛容な神様です。
さて、ここから最後の祓戸王子(はらいどおうじ)まではこのコース一番の山道です。この日は午後から雨が降るという予報だったんで、結構急ぎ足で歩いてきたんですよね。
小橋をわたった先の「九鬼が口関所」を超えると、このコース一番の上り坂。やっぱ休憩しとけばよかったかしら。
なんか巨岩がごろごろ転がってるし、
ここから左の脇道を登ると、あとで行く「大斎原」の大鳥居が遠く見下ろせる展望ポイントらしいんですが、雲行きがあやしくなってきたんでスルーして先を急ぎます。
3泊4日の荷物背負いながらなんでちょっとバテてきた。
ようやく山を抜け、住宅街に出ました。写真右の坂道を降りていったんですが、今写真を見ると「これは熊野古道ではありません」という看板が立ってますね。はい、コースを外れてしまいました。ここで道をはずれる人が多いのか、地元の方に無言で「あっち」と示され元のコースに戻れましたが、上の写真の左にある階段を降りるのが正規のルートです。
少し歩いて最後の「祓戸王子」。そして100mくらい歩くと、
本宮の裏門につきました。急ぎ足で1時間50分くらい。通常2時間半くらい見ておけば十分でしょう。あと本宮前にコインロッカーがあるようなんで、大きい荷物は預けといた方がいいでしょう。
本殿脇を通って、さっき来た拝殿の左にでるようです。もう一度お参りしようと思ったけど、湯の峰温泉行きのバスまであと30分しかない。そそくさと階段を降りて、大斎原へ向かいます。
ここが明治の水害で移転前に本宮のあった場所、大斎原(おおゆのはら)です。
移転前の本宮の元の姿はこんな。なかなか珍しい神社ですよね。
元の本殿あとには小さな祠のようなものがあるだけですが、厳かな空気が漂ってました。
さて、温泉行のバスの時間まであと15分。朝おにぎり食べただけなんで、うどんくらい食べたいけど時間がない。
売店で買った「めはりずし」をほおばりながらちょうど来たバスに飛び乗ります。なんか雨も降ってきた。
20分ほどで、湯の峰温泉に到着。
ここの名物は「つぼ湯」という川中にある天然岩のお湯の周りを板で囲っただけの温泉です。
一度に2,3人しか入れなんで、30分ごとの貸し切り制となってます。一応聞いてみたら1時間30分待ちだったんで、あきらめて公衆浴場に入りましたが、次来るときは入ってみたい。
河原には温泉卵をつけるスペースも。今日ここまでほとんど食べてないんで、近くの売店で卵を買って、帰りのバス待ちの間に食べました。地元の人は卵以外にサツマイモとか茹でてましたね。
これは帰りの新宮行きバスの車中から撮ったものですが、川中に「仙人風呂」という露天風呂があります。水着着用で無料で入れるそうです。
バスは熊野川の川沿いを下りながら約1時間で新宮へ。まだ時間があったんで速玉大社にも参拝し、この日は終了です。忙しかったけど充実でした。