『新約聖書の誕生』『応仁の乱』ほか今週読んだ本4冊

やわなべです。

今年は近くの神社への日参を習慣にしようと思いたち元日から継続中です。別に身内に大きな不幸を抱えてるというわけでもないですが、かといって現状全く不満なしというわけでももちろんありません。そんな中、こうやって、生きていく上で必要のない本を読んだり、誰が読むでもないブログを綴ったりなんてこととができること自体、感謝しないといけないなぁ、とシンプルに思うわけで。

じじくさい挨拶はこれくらいにして、今日も「生きていく上で必要のない本」の紹介です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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「新約聖書」の誕生 / 加藤 隆

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『新約聖書』の誕生 (講談社学術文庫)

  • 作者: 加藤隆
  • 出版社: 講談社
  • 発売日: 2016-11-25
  • メディア: Kindle本

地上のイエスが紙上のメシアとなるまで」という帯のキャッチが秀逸です。実在のイエスが活動していた時代から新約聖書が今の形で確立するまでには300年の隔たりがあるわけです。民族宗教であるユダヤ教の一派にすぎない立場で口承で教えを説いていたイエスが、民族や言語を超えキリスト教という世界宗教へとグローバルに発展していく過程を現在の新約聖書の構成から読み解こうとする内容です。成長企業のグローバル化のプロセスにも通ずるテーマなんじゃないかと。

応仁の乱 / 呉座 勇一

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応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)

  • 作者: 呉座 勇一
  • 出版社: 中央公論新社
  • 発売日: 2016-10-19
  • メディア: 新書

応仁の乱の概説書としては、同時代の大和・興福寺の動向に多くを割いているところが特徴です。ただ、肝心のその大和や興福寺の考察が、中央での戦乱を理解するための補助線として有効に機能してるかというと微妙。シンプルに応仁の乱を理解したいならばっさり読み飛ばしてもいいかも。応仁の乱の発端は畠山家の家督争いといっていいでしょうが、東西の重要人物があっさり寝返りしてたり、仁義のなさというか、視野の狭さのようなものを感じます。既存の権威の崩壊が極まった時代で、ここから江戸期にかけ、ゼロベースで再構築しようとする時代のはじまりだったんでしょうね。

紀州 / 中上 健次

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紀州 木の国・根の国物語 (角川文庫)

  • 作者: 中上 健次
  • 出版社: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2015-04-16
  • メディア: Kindle本

紀州旅行の余韻にひたるべく、新宮出身の作家中上健次さんのこれを。故郷和歌山の各地をめぐり、民俗学者ばりに地元の人々に話を聞いてまわるという内容なんですが、全編影がかかったような独特の暗さで異様な本です。著者は故郷紀州に対し、華々しい都と対する闇のような存在、といった引け目をずっと引きずってて、かつ、どこを巡っても被差別部落の面影を探そうとします。なんの悪魔に魅入られたのか、取材からの帰途、カーブを曲がり損ねてマイカーを大破させてたり。紀行やガイドブック的には全く読めませんが、この地方を旅し、人智を超えた異様さを感じた方にはおすすめかもしれません。

装いの王朝文化 / 川村 裕子

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装いの王朝文化 (角川選書)

  • 作者: 川村 裕子
  • 出版社: KADOKAWA/角川学芸出版
  • 発売日: 2016-07-27
  • メディア: 単行本

著者は王朝文学のご専門で、蜻蛉日記の現代語訳などをされている方。枕草子、源氏物語などの王朝文学の中で、服装や、その着替えに関する記述が、登場人物らの関係や、関係の変化を暗喩するコードになっているというお話です。蜻蛉日記では、夫である権力者、藤原兼家の豪華できらびやかなフォーマル衣装を語ることで、老いて徐々に寵愛を失っていく自分の境遇さをコントラストとして描いている、とか。

【今日のBGM】  Malibu / アンダーソン・パーク

Malibu / Anderson .Paak

2016 / R&B/ソウル

2016年の洋楽ベストアルバム的な記事で挙げられてたアルバムを片っ端から聞いてて気に入ったのがこれ。R&Bなんですけどヒップホップっぽいドラムとアレンジ、にもかかわらず細かい音作りといったところが特徴です。てか、年間ベストアルバム的なものがAppleMusicでたいてい聴けるのってすごいですよね。