「介護するからだ」「沈黙」ほか、ここんとこ読んだ本3冊

やわなべです。

今週初めて大相撲春場所の観戦に行く機会がありました。隣の升席のご年配がたと盛り上がったり、非日常的な楽しい時間を過ごして、帰宅してから写真もろくに撮ってないことに気づきました。

本当のリア充は、日々のイベントをブログやSNSなんかにアップしたりしないんだなぁ、ってのを改めて感じましたね。

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介護するからだ / 細馬 宏通

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介護するからだ (シリーズ ケアをひらく)

  • 作者: 細馬 宏通
  • 出版社: 医学書院
  • 発売日: 2016-06-20
  • メディア: 単行本

元は動物の行動を研究していた著者が、フィールドを人間に変え、介護の現場の観察から得た気づきを綴ったエッセイ的な本。介護する側が一方的にリードしているように見えるシーンでも、よく観察すると、介護を受ける側の小さなフィードバックがキーになっていることも多く、相互作業であることがわかる、など、介護に限らず、人間のコミュニケーションの本質に迫る内容。著者はこうした人間同士のコミュニケーションにおける、無意識での小さな所作を、テレビドラマの中に見出すという著作もあるらしいので読んで見たいです。

沈黙 / 遠藤 周作

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沈黙(新潮文庫)

  • 作者: 遠藤周作
  • 出版社: 新潮社
  • 発売日: 2013-03-01
  • メディア: Kindle本

最近同名で映画化された作品の原作。先日読んだ「クアトロ・ラガッツィ」で概観した、16-17世紀のカトリックの日本布教史のその後のエピソードになるんで続けて読むと感慨深いです。

主人公ロドリゴ司祭の、宗教者として、またひとりの人間としての信仰と心情の移り変わりの描写がとても丁寧で引き込まれます。イエスに対するユダ的な存在として描かれるキチジローがまた物語のいいスパイスになってます。転びの瞬間の心情描写は神々しいまでに美しく感動。映画ではどう描かれているのか知らないけど。

聞書き 遊廓成駒屋 / 神崎 宣武

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聞書き 遊廓成駒屋 (ちくま文庫)

  • 作者: 神崎 宣武
  • 出版社: 筑摩書房
  • 発売日: 2017-01-10
  • メディア: 文庫

30年ほど前の作品ですが、ちくま文庫で復刊してました。名古屋中村地区の旧遊郭の調査を民俗学的なアプローチで試みた記録です。解体前の遊郭から集めた民具からの綿密な考察だったり、当時を知る人々の、微妙な恥じらいを含んだインタビューを彼らの語り口そのままの記録していたり、ジャーナリスト仕事とは一味違った、資料価値の高い作品です。特に当時現場で展開されていたであろう民間医療の実態に迫るあたりは衝撃です。

【今週のBGM】 הגולה / דודו טסה

タイトルはヘブライ語で、どう発音するのかも不明ですが、アーティスト名は「dudu tassa」と紹介されるイスラエルのミュージシャンです。当初は世界音楽の中のアラブ趣味的に聞いてたんですが、この作品は普通にかっこいいポストロック。レディオヘッドのイスラエルでのライブの前座にも指名されたんだそうですよ。