「ビリー・リンの永遠の一日」「プロテスタンティズム」他、ここんとこ読んだ本5冊

やわなべです。

本文関係ないですがオリックスが強いです。今年は久しぶりに野球のシーズンを楽しむという体験をしている気が。ただ、調子がいいと現地観戦が増え、本代にまわすお金が減っていくんですよね。悩ましいところです。というわけで今回は財布に優しい新書、文庫中心のラインナップです。

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ビリー・リンの永遠の一日 / ベン・ファウンテン

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ビリー・リンの永遠の一日 (新潮クレスト・ブックス)

  • 作者: ベン・ファウンテン
  • 出版社: 新潮社
  • 発売日: 2017-04-14
  • メディア: Kindle本

主人公ビリー・リンはイラク戦争に従軍した下級兵士で、一時的に帰国した彼とその部隊の一日を彼の視点から描いた内容。リズミナルな文章で9.11後のアメリカのあらゆる面をユーモアと絶妙なシニカル差で鮮やかに表現しています。スピード感と情報量がハンパないのに読み疲れも感じさせないし、中だるみもない。翻訳も素晴らしい。今年読んだ本の中で今んとこベストかも。

プロテスタンティズム / 深井 智朗

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プロテスタンティズム - 宗教改革から現代政治まで (中公新書)

  • 作者: 深井 智朗
  • 出版社: 中央公論新社
  • 発売日: 2017-03-21
  • メディア: 新書

プロテスタントの意義を神学的な教義というより、それが広まった政治的、世界史的な背景で見直す内容です。「プロテスタントという視点から見たドイツ史」
と言ってもいいかも。実際、今まで読んだどの本よりもドイツの歴史がわかったような気がします。そして最終章では、大西洋を渡って異様な進化を遂げたアメリカのプロテスタント事情にも触れていますが、それもルター以来の大陸でのこういう流れがあっての変化なんだと理解できました。

一茶 / 藤沢 周平

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一茶 (文春文庫)

  • 作者: 藤沢 周平
  • 出版社: 文藝春秋
  • 発売日: 2012-11-30
  • メディア: Kindle本

異様な作品ですねこれ。主人公一茶は、偉人風な魅力もなく、打算や卑しさに満ちた、どっちかっつーと人生の失敗者として、その地味な生涯が淡々と描かれます。つまらないと思いきや、遺産の相続で揉めたり、人生後半に差し掛かった人が読むと、妙なリアルさを感じるんじゃないでしょうか。二万を越えると言われる彼の句をあえて前面に出さず、流浪の芸術家的な捉え方すらさせないところも作者の狙いでしょうね。

老いる家 崩れる街 / 野澤千絵

「老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路 (講談社現代新書)」販売ページヘ

老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路 (講談社現代新書)

  • 作者: 野澤千絵
  • 出版社: 講談社
  • 発売日: 2016-11-25
  • メディア: Kindle本

全国的に空き家が増えているのに、それでも新たな立地への新築が増えている現状を、住宅政策や都市計画政策の問題点から整理します。今後の弊害や、打開に向けての方策も提示されていてこの問題を手っ取りばやく理解するには格好の一冊でしょう。社会福祉や財政問題もそうですが、これからマイナス成長になっていく中で、それを受け入れる撤退戦みたいな政策の遂行がいかに難しいかという実例をここにも見ることができます。

発達障害 / 岩波 明

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発達障害 (文春新書)

  • 作者: 岩波 明
  • 出版社: 文藝春秋
  • 発売日: 2017-03-17
  • メディア: Kindle本

発達障害というのはそういう名の疾患ではなく自閉症をも内包する大きな総称なんですね。大きくASDとADHDという二つにカテゴライズされ、数年前によく聞いた「アスペルガー障害」というのもASDの一種として最近は使わないんだそうな。ただ、正直、病名つけてどうこうするほどのものなのかという疑問だけが残りました。本書自体も「そんなん普通やん」と感じるような患者の冗長な症例が続いたり、水増し感が強かったです。