「チャヴ」「小さな国で」他、ここんとこ読んだ本4冊

チャヴ / オーウェン・ジョーンズ

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チャヴ 弱者を敵視する社会

  • 作者: オーウェン・ジョーンズ
  • 出版社: 海と月社
  • 発売日: 2017-07-20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

先進国で国内の所得格差が広がるとこうなるよ、というイギリスの先例。移民排斥やポピュリズム台頭の一因担っている面もわかるし、数年前の本で直接言及はないものの、去年のブレグジットの背景にもなってるんでしょう。
これを日本の未来図と読むこともできますが、にしても国内の労働者階級への差別が人種差別と同じレベルで容認されてる状況にはちょっとどん引きです。根っからの差別気質みたいなものがあるんじゃないかと疑いますよ。

『ちいさな国で』 / ガエル・ファイユ

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ちいさな国で

  • 作者: ガエル・ファイユ
  • 出版社: 早川書房
  • 発売日: 2017-06-08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

著者はアフリカの小国ブルンジ出身のフランスのヒップホップアーティスト。自身のルーツとうまく重ねた小説です。異国の少年の生き生きとしたストーリーが一転、90年代の隣国ルワンダのジェノサイドに続く民族対立のあおりで家族もバラバラになってしまいます。まあその災厄あたりはフィクションなんですが、ショッキングな内容を含みつつも、途中に出てくる詩や、たわいない会話、祭りの風景の描写などが効果的でとても美しい作品に仕上がってます。

『隷属なき道』 / ルトガー ブレグマン

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隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働

  • 作者: ルトガー ブレグマン
  • 出版社: 文藝春秋
  • 発売日: 2017-05-25
  • メディア: 単行本

「チャブ」の前に読んでたんですが、格差の肥大化こそが現在の一番の問題であり、それに対応するにはベーシックインカムしかないだろう、というお話。著者はオランダの若い学者で前半の論述にははとても説得力があるんですが、最後には「みんなの意識を今変えなければ何も動かない」と、やや悲観的な主張に見えてちょっと不安に。ある意味福祉を捨てて究極のバラマキを行う同政策の実現には、革命的な政治展開でもない限り難しそうですね。

『神道とは何か』 / 伊藤 聡

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神道とは何か - 神と仏の日本史 (中公新書)

  • 作者: 伊藤 聡
  • 出版社: 中央公論新社
  • 発売日: 2012-04-24
  • メディア: 新書

神仏習合や、怨霊からの個人の神格化など、日本史を通じて、どのように神道が歩んできたかをざっと読み解く内容です。宗教的権威を裏付ける理論的には仏教に頼りつつ、独特の進化を遂げてきたことがわかります。日本史を概観する際に、ざっと読んでおくと、感覚的な理解が深まりそう。