「Airbnb Story」「プリズナートレーニング」他、ここんとこ読んだ本5冊

『Airbnb Story』 / リー・ギャラガー

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Airbnb Story 大胆なアイデアを生み、困難を乗り越え、超人気サービスをつくる方法

  • 作者: リー・ギャラガー
  • 出版社: 日経BP社
  • 発売日: 2017-05-25
  • メディア: 単行本

民泊業界をリードするネットサービス「Airbnb」のスタートアップストーリー。起業メンバー中核がデザイン畑出身ってことで、技術ベースのIT系スタートアップとは若干毛色が異なる印象でした。リスクだらけな民泊のビジネスモデルが投資家になかなか受け入れられなかったりはするものの、全体の3割くらいのところで、すでにサービスとしてはすでに軌道に乗っていて、そこからは急速に拡大する企業規模にどう対処していったか、宿泊業界との軋轢の様子なんかが描かれます。著者のスタンスは客観的なんで、民泊ビジネスに近い業界の人は読む価値あるでしょう。逆に、サクセスストーリーを読みたい起業を目指す若い読者にとっては、ビジネスが軌道に乗るまでの紆余曲折がボリュームとして少なめなんで「もっとこの部分を書いて欲しかった」と感じるかも。

『プリズナー・トレーニング』 / ポール・ウェイド

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プリズナー・トレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ

  • 作者: ポール・ウェイド
  • 出版社: CCCメディアハウス
  • 発売日: 2017-07-28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

著者が刑務所服役中に会得し体系化したキャリステニクス(器具を使わない自重トレーニング)の教則本。その究極の理想は体操選手のようなバランスと柔軟性を伴った肉体です。プッシュアップやスクワットなどビッグ6と呼ばれるトレーニングを、それぞれ難易度別に10段階のステップにわけ、シックスパックに象徴される見た目重視にこだわらない、真に健康的で強靭な肉体を作る方法を伝授します。表紙絵の印象に反して「なぜこうするべきか」「なぜ器具を使うとダメなのか」という解剖学的説明が意外に詳しく、マシントレーニング&プロテイン派の方も一読の価値はあるのではないかと。

『英国諜報員アシェンデン』 / サマセット モーム

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英国諜報員アシェンデン (新潮文庫)

  • 作者: サマセット モーム
  • 出版社: 新潮社
  • 発売日: 2017-06-28
  • メディア: 文庫

実際に諜報員経験のあった作家モームによる、スパイ短編小説の連作。前書きで「末端の諜報員の仕事なんて地味そのもの、本作はドラマ的に味付けしたフィクションにすぎないですよ」と説明書きがあるんですが、その地味すぎる仕事の描写の中で描かれる細やかな人間描写や会話の駆け引きに感じる異様なリアルさは、劇的で派手なスパイ小説とは一線を画していて、さすがはモームと唸らされます。

『海に沈んだ大陸の謎』 / 佐野 貴司

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海に沈んだ大陸の謎 最新科学が解き明かす激動の地球史 (ブルーバックス)

  • 作者: 佐野 貴司
  • 出版社: 講談社
  • 発売日: 2017-07-19
  • メディア: 新書

内容はひとことで言えばプレートテクトニクスベースの地球の歴史の概説なんですが、「ムー大陸は本当にあったのか」という、話の「つかみ」と思われた問いかけが、意外にもにつかみにとどまらず、その後の展開においても常にその問いを想起させる流れになっっていて読んでて退屈しませんでした。内容は十分に専門的なんですが、科学書らしからぬ構成のうまさを感じました。

『近代絵画史(上) 増補版』 / 高階 秀爾

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カラー版 - 近代絵画史(上) 増補版 - ロマン主義、印象派、ゴッホ (中公新書)

  • 作者: 高階 秀爾
  • 出版社: 中央公論新社
  • 発売日: 2017-09-20
  • メディア: 新書

1975年出版の本の増補版で、本書はゴヤからボナールくらいまでの時代をカバーしています。カラー版とはいえ実際の絵画の図版は少なめなんですが、著者の文章のうまさでもって文章中心でも十分に美術館巡りな気分を味わえます。上巻の期間最大のエポックはなんといっても印象派の画家たちの活躍になるわけですが、話がその100年前くらいから始まるんで、彼らを生み出した素地だったり、その登場の意義というものが、とても具体的に理解できました。