「超人類の時代へ」「AMETORA」他、ここんとこ読んだ本3冊

超人類の時代へ / イブ・ヘロルド

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Beyond Human 超人類の時代へ 今、医療テクノロジーの最先端で

  • 作者: イブ・ヘロルド
  • 出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2017-06-10
  • メディア: 単行本

人工臓器などのコンバージングテクノロジーが想像以上に進んでいる状況を概説した上で、治療とエンハンスメントの境目がますます曖昧になっていることを紹介する本。技術の進歩はいいことですが、反面、倫理面の問題や、エンハンスメントを受けられる人と受けられない人との格差問題、人工臓器を止める権利を誰が所持するのか、といった多面的な問題が存在する。もしかしたら今がこれらの問題をフラットに議論できる最後の時代なのかもしれない、という本書の主張に考えさせられます。

AMETORA / デーヴィッド・マークス

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AMETORA(アメトラ) 日本がアメリカンスタイルを救った物語 日本人はどのようにメンズファッショ...

  • 作者: デーヴィッド・マークス
  • 出版社: DU BOOKS
  • 発売日: 2017-08-18
  • メディア: 単行本

戦後、日本のメンズファッション界の先達らが当の米国人らが意識しないところで、彼らのファッションを教条化、市場化し、逆にスタイルとして確立するに至った経緯を関係者らへの取材を交えてまとめた本。その情熱に圧倒されながらも、対象がアメトラである必然性はなかったはずで、改めて日本人の異国文化の崇拝・吸収への貪欲さと、その作業のマニュアル化、教条化に長けた人種なんだなぁ、ということを実感。ただ、それって差別化できる個々の個性を問われる現在にあっては逆に短所と言えるわけで、読後、一抹の寂しさを感じたり。

蔵書一代 / 紀田 順一郎

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蔵書一代―なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか

  • 作者: 紀田 順一郎
  • 出版社: 松籟社
  • 発売日: 2017-07-01
  • メディア: 単行本

老いを迎え、蔵書1万冊を処分された文学者のお話。ダンボール満載の古書店のトラックを見送る際、思わずその場に崩折れてしまったエピソードには心が痛む思いです。処分に至るまでの個人の体験に加え、体系だった蔵書を持つことが個人の教養度を示す時代が終わりつつある現状、そして、未来へ受け継ぐべき貴重な文献の散逸を防ぐ受け皿がどこにもないことへの危機感を訴えます。現実的な解決策としては文書の電子データ化なんでしょうけど、検索できるアーカイブにはなっても、蔵書が持つ空間的な知の体系化には結びつかないですよねぇ。